le journal des papillons
ラ・レーヴ・デ・パピヨン』の徒然日誌

招待状

photo by:プルメリア(photost.jp)


いつもと変わらない、窓からこぼれる日の光。

毎朝、声をかけてくれるアルマンの声。


そして、あの方からの手紙が届く。



こんな日々が来るなんて、少し前の私には想像もつかなかった。




ミックが休暇で帰ってきて、少し賑やかになって。

フフ。何だか昔に戻ったみたいね。


あの人だけは…もう居ないけれど、でもそれは、仕方の無い事。。


今は、今だけは、このまま

こうして笑い合っていたいの。



もうすぐ、久しぶりのお屋敷でのパーティが開かれる。

パーティなんて、本当に久しぶり。


あの方にも招待状を出しましょう。

ずっと、私を励まし続けてくれた、あの方へ。


精一杯のお礼の気持ちを込めて。



お会いできたらその時は、

きちんと、笑える様に。
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ありがとう


朝の光。

やわらかな風。


いつもは心地よく感じる風がとても冷たい。
今までにない冷たい春の風が肩を通るたびに、とても寒くて凍えてしまいそうなの。



パタリと窓を
閉じたら、涙がこぼれる。

こんな日が、いったい何日続いたかしら…。。




ねえレオ。

私達には、こんな道しか無かったの…?


貴方からの手紙と、現実だけがここにあるけれど…
突然すぎて、そして何も出来なくて。


自分の無力さが、貴方を救えない私が、とても哀しい。
せめて幸せに暮らしてくれることを祈るだけ。



そっと立ち上がって、鏡に映る自分と目が合う。


フフ。みんなに心配をかけてしまって…ダメね。
本当にごめんなさい。

でも、今は何もできなくて。


ごめんなさい…ミック。





このまま閉じこもっていても、いけないのはわかっているの。


毎朝欠かさずに、話しに来てくれるアルマン。

そっと様子を見に来てくれている皆。



優しさを感じるたびに、これ以上心配をかける訳にはいかないと思うの。



震える肩をストールで覆い、

ゆっくりと歩いてひとまわり細くなった指を扉にかける…







……ポポポン!


扉を開いて通り抜けると、可愛らしい音とともに開く花。




少し驚いたけれど、見覚えのあるしかけ。


父様の…


そして小さく刻まれた文字。

「Je veux qu'une soeur an・e devienne fin.」




フフっ…あの子が、私を元気づけようと残していってくれたのね。

ありがとう…ミック…


微笑みながら、今まで流していたものとは違う涙がこぼれた。




ごめんなさいね、ミック。
あなたにこんなに心配させてしまうなんて…いけない姉様よね。


今度帰って来た時には、最高の笑顔であなたを迎えるわ。






さあ扉を開けて。
皆に会いにいきましょう。


もう大丈夫…って。











その時、私はまだ知らなかった…よく知った場所からの手紙の存在を。
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信じる心


小鳥のさえずりが聞こえる…。

ああ、もう朝なのね。


何か夢を見ていた様な気がするのだけれど、、思い出せないみたい。




先日のリリィのパーティ。

色々な方とお話が出来て、とても素敵な時間でした。



そうだわ。
今日はリリィにお礼のお手紙を書きましょう。

フフ。
ミックのいたずらにも、感謝しなくてはね。
ありがとう。


そうね…今日は、
久しぶりにクッキーを焼こうかしら。

セシーにお願いしてみましょう。


窓を開けて、少し早いけれど朝の支度を…




…あら?
窓ぎわに白い小鳥が一羽。

フフ。可愛い。


小鳥さん。貴方はあの人のことを知っているかしら…?
元気で、いてくれているかしら。

今はまだ会うことが出来ないから、せめて祈るの。

あの人が元気でいますように。



レオ。。


貴方ならきっと大丈夫。
私はここで、貴方を信じて待っているから。
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パーティへ


キラキラ…


朝日が雪に反射してまぶしくて。

今日もすこし早く目が覚めたの。


夢の中で、貴方を捜していたわ。
私…まだ心の整理ができていないのね。


レオ… …。

貴方がとても心配よ。
そして貴方のお母様も。

どうかレオも過労で倒れてしまうことのないように。
貴方の力になれることはないのかしら。

遠くから祈ることしかできないなんて。。





ふと、テーブルに目を向けるとリリィからの招待状。


ミックが誘ってくれた、リリィ・テイラーのバレンタインパーティ。

そういえば、もうすぐね。


フフ…、私を励まそうとしてくれたのかしら。
ありがとう。ミック。

しっかりしなくてはね。



落ち込んでばかりもいられないもの。
私は…今、私ができることをしましょう。

アルマンに苦労ばかりをかけてはいけないわ。


鏡を向いてにこりと笑ったら、

前を向いて。


きっと、大丈夫。
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不安な瞳


肩が寒い。
この不安な気持ちは、どう言ったらいいのかわからないけれど、
何だか嫌な予感がする様な。。


真夜中、レオが私の所へ来たの。

明朝、ルドロウキャッスルに戻ると。


貴方にはめずらしく、とても不安そうな瞳で
…ひとつひとつ話してくれたの。


お母様、心配ね。
きっと貴方が行ったら喜ぶわ。

私のことは気にしないで。大丈夫よ。

今はお母様を大切にしてあげて。



心ばかりのお薬と、優しい香りのポプリを渡して貴方を見送ったの。



貴方の背中を見送りながら、ふっとよぎる不安。
冷える肩。

もう会えなくなる訳でもないのに、この気持ちはどうしてかしら。


大丈夫、きっと大丈夫よ。

自分に言い聞かせる。
貴方と、貴方のお母様の無事を祈って。
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丘の上


先日のこと。

ミックの部屋に行ったの。
話がしたくて。


けれど、居なくて。

なんとなく、あの場所にいる様な気がして、、捜しに行ったの。

あの、海の見える丘へ。





「ミック」
やっぱりここに居たのね。

声をかけると、今までは見たことのない様な顔をして振り返る。



切なくなる様な、大人びた顔を見たら…

あぁ、ダメ。
彼の前では凛としていなくては。。



でも…


あふれる涙をとめることができないの。


ミック…
貴方に辛い想いをさせてしまって、本当にごめんなさいね。



貴方のことが大好きよ。

たった一人の弟。血のつながった家族。


大切で大切で…
だから、強くなってほしかった。




ふわりと抱きしめたら、

泣き出すミック。
二人で時間が経つのを忘れて泣いたの。




ねえミック。

今までの分もたくさんたくさん、お話をしましょう?






私達は、日が暮れるまでずっとずっと丘の上で話した。
これから、何が起きるのかも知らずに。。
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ふたつの心


柔らかい朝日で始まる一日。

いつもよりも少し早く目を覚ましてしまいました。



大好きなレオ。

もうすぐ、いよいよあなたとの式のドレスを見に行けるなんて―


本当に嬉しい。


考えるだけで、ほら、頬が…



こんな顔では、恥ずかしくてあなたの前に行けないわ。

しっかりしなくては…。



そして、ミック。


あなたにもこんな顔は見せられない。

哀しませたくないの。



ずっと一緒に居るのが当たり前だったの。



少し、離れるのが早過ぎたんじゃないかって、そう思うのよ。

あなたはまだ幼いから。



まだ、一緒にいてあげたかった。

一緒にいて、護ってあげたかった。


けれど、、

あなたもいつか大人になって、愛する人ができて、

お父様の跡を継いで行くのよね。



ずっと一緒にはいられない。。。




姉様は、あなたがとても大切よ。

大切な、大切なミック。


だから、レオのもとへ行くの。




いつか、わかってもらえる日が来るかしら。。
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優しい香り


あら ルゥ。

どうしたの?




…え?   いい香り?



まぁ、このフレグランスかしら。ありがとう。




ルゥは今日も素敵なドレスね。
とっても可愛いわ。


ルウは何でも似合うから、オシャレをするのが楽しいでしょう。






…そうだわ!

貴方が気に入ってくれたこのフレグランス、つけてあげる。




シュッ。。.


振りかけると、ふわっと甘く優しい香りが広がる。






…私のドレスも着てみたいの?
そうね…


じゃあ明日の朝、一緒にドレスを選びましょうか。


今日は、この花飾りをつけてあげる。
貴方の可愛いドレスによく合うと思うの。






… …ほら。

ね。とっても素敵よ、ルゥ。


ミックやレオにも見せてあげたら、きっと喜ぶわ。
どうかしら。





「ありがとう!ミシェル!」

ルゥはそう言って、嬉しそうに走り出す。







… …あ!

そのフレグランスね、とっても繊細なの。


どろんこになったり、走り回ったりすると、すぐに消えてしまうかも。
気をつけてね。





「はーい!」

少し遠くから、元気のいいお返事。

本当に、いつも元気で可愛い。






…あら?

今度はアルマン、どうしたの?




…まあ。


フフ。
二人のいたずらを?



そうね…ミックはまだわからないけれど、ルゥは大丈夫じゃないかしら。

少なくとも、今日と明日はきっと。







実はたった今ね… …
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一緒に


ひとつ、ひとつ。

言葉を重ねる。



一歩一歩、

歩幅をあわせて歩く。



一緒にいられる時間を、大切にしたいと思う。


貴方が本当に、大切だから。




先のことを考えると、

私にできるかしら、とか、貴方の事を守っていけるかしら、とか

不安になったりもするけれど



大丈夫。



何があっても、一緒に乗り越えて生きたいの。



お父様とお母様のように。




貴方が微笑むと、私も嬉しい。

貴方が悲しそうにしていたら、私も悲しい。
だから、全力で励ましたい。

隣に並んでこうして歩いて行けることを、神様に感謝します。



お父様、お母様、そして…大切な大切な、ミックに、感謝します。





やわらかいオレンジ色に包まれて、二人、手をつないでお日様を見つめる。



ねえお父様、この方がレオよ。

素敵な人でしょう…?
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午後のひととき


真夏の日差しが降り注ぐ午後。


今日は、ずっと読みたかった本を読んでいるの。



お気に入りの窓辺の小さな机で、小さな椅子に座って。

揺れる白いレースのカーテンが、涼しさを演出してくれる。



ふ…と、外を見ると庭園のガゼボの中にミックがちょこんと座っているのが見えて…


あら?
一人でどうしたのかしら。




自室を抜け出して、

ミックの後ろから静かに近づいて、そっと声をかける。




「ミック。」




…?返事が無いわ…?




… …まぁ。

フフ。お昼寝中だったのね。
良かった。起こしてしまわなくて。



そっと隣に座って、本を開く。

ちらりとミックの顔をのぞくと、小さな涙が一粒。




怖い夢でも見たのかしら…?



大丈夫、姉様が一緒よ。。

そっと頭をなでると、ほっとした様に力が抜けて膝の上にもたれかかり、そのまま眠り続けるミック。




よしよしと頭をなでながら、ページをめくる。

このまま読書の続きをしましょう。



この子がもう怖い夢を見ないように。


眠りから覚めるまで。
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