le journal des papillons
ラ・レーヴ・デ・パピヨン』の徒然日誌

思慮と思惑


マイケルさまがヘイスティングスより一時帰省された。
学園にて指導を受けたせいか
そのお顔の変化に少しだけ頼もしさを感じるようになりました。

ミシェル様も少しずつではあるものの
お部屋からお屋敷内を歩くようになり
少しずつではあるものの、良い方向に向かっていると感じます。

しかし、これが必ずしも昔に戻るという事ではないのは
しっかりと意識しなければなりませんね。

マイケル様にしろ、ミシェル様にしろ
今はご自分で考えたことを、いろいろと実行してみる時なのだと思います。

私は・・・ただ帰る場所をしっかりとお守りするだけです。



・・・・・
・・・・・

さて、これで全ての招待状は揃いましたね。
一通、なにやらなくなっていたのもありましたが
私自らチェックをしたお陰で、事なきを得ました。

本来なら、期間に余裕のない招待状の送付は失礼なのでしょうが
今のミシェル様の状態を考えると、なかなか判断は難しいところです。

ですが・・・
これが一筋の光明になってくれれば良いのですが・・・

もちろん、マイケル様もです。
懐かしきあの方はお見えになられるのでしょうか?
私も楽しみではあります。
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彫像たちの会話


事の次第知ったときの動揺
本来であるならば、当のご本人のショックに
比べるまでもないのですが
私とした事が、ミスを犯してしまったようです。

この屋敷の使用人になると誓った日から
使用人としての身分は、意識して弁えているつもりでした
しかし、それは本当につもりだったのですね。

主人であらせられるミシェル様をお呼びだてするとは
どれほど動揺していたのでしょう。

事が事だけにとは、言い訳にしかなりません。
執事ならば執事としての本分を
再度意識したいと思います。


あれからミシェル様は臥せっておられます。
食事も摂られてなく、お体が心配です。
なんとなしなければとき思うものの
身分以上はの事はできない・・・

苦悩する時だけが無常にも進んでいきます。



無表情のまま、マイケル様にお茶を注いでいる時
マイケル様よりお声がかかりました。



そうですか・・・
マイケル様はそうお考えなのですね・・・・
わかりました。





神が敷いたレールは
かくも無残な結果を残すだけのようです
一度ならず、二度までも・・・

ロブ・・・君の時のような過ちをしないよう
私は使用人としての立場を、超えさせてもらうよ。


残酷な神に抗うためにね・・・
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策士、策に溺れるとは言いますが・・・


今回ばかりは、マイケル様に
一歩先を行かれたという事でしょう。

私の判断が遅かったゆえ
マイケル様がリリー・テイラーの
パーティーへいく事になろうとは・・・


自分の判断ミスによるものを
屋敷の使用人に向けてはいけませんね。
少しばかり表情に出てしまいましたが・・・
ルーシーには可哀相な事をしました。

もちろん、大切な招待状の扱いと
お屋敷の業務という優先度を考えなかった非はあるにせよ
優秀な使用人のモチベーションを削いでしまっては
逆にお屋敷の損となる事は必至です。

いずれにしても、早く報告してくれた事は
褒められるべきことです。
人はミスをするものです、そしてミスをすると
それを隠そうとしてしまいます。
それが被害を拡大させる原因なのです。
起こった事象に対して、最速の報告・相談は
どの世界でもいえる大切な事だと私は思います。

さて・・・
お詫び状を何通か書かねばなりませんね。
ルドロウとリリー・テイラーへ
なんとか間に合ってくれると良いのですが・・・
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もたらされた凶報


夜更けに訪れた来訪者は
ルドロウ・キャッスルからの使いでした。
このような時間に来るという事は
よほど急ぎの用件という事でしょう。



時折聞こえる馬の嘶きから
休みなしでこの館まで駆け抜けて来たことが
わかりました。


「いったい何事ですか?」


使いの者よりもたらされ手紙
チャールズの印はあるものの
装飾なく必要な事だけを書いた書き方は
マーカスの文体か・・・


急いで目を通すと
そこにはやはり急く理由に足りる
内容が書かれていました。
この時間にくる蝶は
残念ながら凶報をもたらすものです。


至急 レオナルド様に
ご報告しなければなりませんね。
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招待状から生まれる物語


エミリーより渡された手紙・・・
それは恐らくミシェル様に宛てた招待状でしょう。

リリー・オーガスタ・テイラー様
若くしてデザイナーへの道を進み
そして今なお、人々を感動させる服を作り続ける方

1年前にご自分のお店を開店させてからというもの
その名前を知らぬ者は少なくなりました。
きっと、感謝の意を込めたパーティーでも開かれるのでしょう。



うん?どうしました?エミリー
マイケル様のことですか?
そうですね。あなたが心配している事もわかります。
ですがねエミリー、私はこう思うのです。


マイケル様はこのパピヨン当主で在らせられます。
幼き頃に父君と母君を亡くされたものの
その幼さゆえ、本当の悲しみを学ぶ機会を失っているのです。
自分が大切にしてい者を失う辛さ。
自分ではどうしようも出来ない事への悔しさ。
そういったものを学び、ご自分の意思で進み始めた時こそ・・・
マイケル様はまた一歩、紳士としての階段を昇るのだと思いますよ。


ですが・・・あなた達が言うことも一理ありますね。
この招待状は私が預かっておきます。
期を見てお渡しする事としましょう。
ミシェル様にも内密にしておいてください。

では、仕事に戻るように。



エミリーが去った部屋で
一人呟く・・・



憎まれ役の父親を演じるのも大変な事だ・・・
本当は君の役目だったんだぞ・・・ロブ


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思惑とお願いと・・・


私の鳴らした呼び鈴によって
館中の使用人たちが、一斉に大広間へと集まりました。

おおよそ、こんな時は
何か緊急の連絡事項があるとき以外
ない事態なのですが、
現状のお屋敷のことを考えるならば
集めなければならないと判断したのです。

集まった使用人を前に
開口一番、私はこう告げました。
「ミシェル様がリリィ・テイラーへとお出かけになります」
その為の準備をと、そのような話から始めました。

私の真意は別にあります。
しかし、このタイミングを逃すわけには参りません。
タイミングだけは・・・
若き日の学園時代に、いろいろと経験したことが
役に立っています。

各担当の使用人に、細かい指示を出しているとき
大広間の扉が開きました。


そのお方はレオナルド様・・・
ここまでは、私の計算どおりです。


レオナルド様を一番奥の席に案内し
失礼ながらも言葉を続けさせていただきました。


「レオナルド様、失礼ながらお願いがございます。」


訝しげな視線を送るレオナルド様
恐縮ではありますが・・・
少し乗っていただきたいことがあるのです。
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正を以て合し、奇を以て・・・


ミシェル様のお力添えもあり
片方の暴風・・・いや、失礼いたしました。
ルイーザ様を落ち着かせる事ができました。


残るは我が当主です。

ですが、そう何回もミシェル様のお手を
煩わせるわけには参りません。

これは私達使用人で、解決しなければならないでしょう。


さて・・・どうしたものか・・・


悪戯は、その被害者候補が動かなければ
なんの効力もないものです。

しかし、私達にはお勤めがございます。
これが、被害の連鎖を招いている事実。

また、悪戯の生みの親を止めるにも
その悪戯の海へ乗り込まなければなりません。

これもまた被害が増える元です。


ならば・・・いたし方ありませんね・・・


大きな呼び鈴を私は鳴らしました。

この意味とするところは、「召集」
お屋敷のすべての使用人が集まります。


お勤めも止まってしまいますが・・・

今は待つ時間なのです。
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1+1=∞


お客様がお屋敷に見えられてから
使用人たちの悲鳴が絶える事はなくなりました。
原因はわかっているのですが・・・


一人増えただけで倍以上の効果
お見事というしかありませんね。


しかしながら・・・
このままでは、お勤めに支障をきたします。
そろそろ、手を打たねばならない時でありましょう。


ちょうど今ティータイムに入ったようです。
で、あるならば二人とも
静かにテーブルについていることでしょう。
このタイミングが一番ベストですね。


マイケル様、ルイーザ様
このお二人に、最も影響力のある方々
その方から、注意をしていただきましょう。


私ではありませんよ?
あの二人に最も良い影響を与えてくださるのは
ミシェル様とレオナルド様です。

まことに恐縮ではありますが・・・
此度はお力をお借りする事といたしましょう。
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パピヨン騒動記・・・そして


ルドロウ・キャッスルからのお客様で
一際賑わいをみせているお屋敷です。
それだけに私の仕事も増えているわけですが・・・

これはまさに嵐の前の静けさだと
思えてなりません。

マイケル様とレオナルド様の会見は
滞りなく終わったと思うのですが
で、あるからこそ次の段階へと向かうのは
誰にでも想像がつきます。


そしてもう一点


ルドロウのミランダ奥様より
手紙を頂戴しました。
内容については、少々驚く事が書かれておりましたが
まあ、そういうお考えもあることでしょう。

私がどこまで出来るのかは
正直疑問はあります。

が、しかしお仕えする事を誓った日より
全力をもってお勤めを果たすのが義というもの
さっさく準備を進めることといたしましょう。


そしてもう一点・・・


ふむ・・・
あやつならばルドロウにおいても
しっかりとやっていけると言えるでしょうな・・・
こちらも準備が必要ではありますがね。

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世は若者にどんな試練を与えるのか・・・


ルドロウ・キャッスルより
レオナルド様がお見えになられております。

本日のご訪問は、我が当主マイケル様とのご会談。
いつもとは違った空気が屋敷を包みます。


訪れるべくして訪れたその時ですが
私の予想よりすこしばかり
レオナルド様の行動が早かったようです。


マイケル様がどのように対応されるかは
私にはわかりかねますが
心配などは無用と思っております。


それが敬愛すべきハウエル家の血筋なのですから・・・

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